災害による停電時に消火設備やエレベーターなどを動かすために使われる非常用発電機。だが、「その多くが作動しないのではないか」という驚くべき指摘がある。東日本大震災の際に作動せず、被害が拡大した一因となったにもかかわらずだ。

社団法人日本内燃力発電設備協会の調べによれば、2011年に発生した東日本大震災の際、津波で流されたものなどを除き、整備不良によって作動しなかった発電機が全体の41%、始動したものの途中で異常停止したものが27%もあり、被害を拡大させる原因の一つとなった。
ところがである。非常用設備業界の関係者は、「その程度で済んでよかった」と明かす。
「全国に設置されている非常用発電機の多くが点検されておらず、万が一の際に作動しない可能性が高い。南海トラフ地震のような巨大地震が発生すれば、本当にまずい事態になるかもしれない」と、この関係者は指摘するのだ。

週刊ダイヤモンド
2017年3月18日号 Close Up「東日本大震災の教訓はどこへ 作動しない非常用発電機の恐怖」より抜粋

DIAMOND online「非常用発電機が動かない!ずさん点検恐怖の実態」でも掲載されています。