仙台市の48の市有施設が消防法で定める非常用自家発電設備の負荷試験をしていなかった問題で、消防署に年1回提出する消防用設備の点検報告のうち、一部施設は自家発電設備に関する書類が最初から不備のまま提出していたことが18日、分かった。報告は受理されており、消防と施設、点検業者の認識の甘さが改めて浮き彫りになった。
 各施設は年1回、消防設備の点検概要をまとめた「点検結果報告書」と、設備ごとに詳しく記載した「点検票」を提出する。
 48施設のうち、宮城野区の鶴谷特別支援学校、太白区の郡山老人福祉センターの少なくとも2施設について、直近の自家発電設備の点検票が消防署に保管されていなかった。
 市消防局予防課は「当該の点検票はそもそも提出されなかったのだろう。施設を信用して詳しく確認していなかった」と釈明する。
 同支援学校が点検業者に確認したところ、負荷試験が未実施だったことが判明。「報告書類をまとめる際に非常電源の点検票が漏れた」とミスを認めたという。同支援学校は「業者に任せきりだった」と説明した。
 市消防局は今後、各消防署で点検報告を受け付ける際の指導を強化する。一部施設の報告書類は以前から不備だった可能性が高いが、消防署長の判断で保存期間の目安の3年より早く破棄できるため、確認が難しいという。

河北新報
<自家発電試験未実施>仙台市の一部施設、点検報告を最初から不備のまま提出、2施設は受理」より引用