仙台市の48市有施設が消防法で定める非常用自家発電設備の負荷試験をしていなかった問題で、市は20日、来年3月までに48施設で負荷試験を実施する方針を明らかにした。実施を促す指導は各所管部局に委ねるとした見解を転換。部局間で消防法の知識が共有されなかったことを認め、全庁的な対応に乗り出した。
 20日の市議会12月定例会総務財政常任委員会で、市側が「負荷試験を本年度中に実施できるよう各施設の所管課と調整しており、必要な予算を措置する」と表明した。
 市消防局による6月の説明会後も未実施が続いた理由を「(試験に必要な)電気主任技術者と実施時期の調整が必要だったり、全館停電の時期が決まっていたりしたため」と釈明した。
 48施設には市立病院(太白区)や市体育館(同)、せんだいメディアテーク(青葉区)など大規模施設が含まれ、佐藤正昭委員(自民党)は「何かあれば大勢の命に関わる。東日本大震災の教訓を発信する仙台として恥ずかしい」と苦言を呈した。
 加藤俊憲総務局長は「『隗(かい)より始めよ』で、市の施設で法令が順守されることが第一だ」と強調。部局間の情報共有と、各施設の指定管理者に対する指導を強化する考えを示した。
 年1回の負荷試験が必要な市有施設は66。市消防局が調べた結果、新築を除く65施設中48施設で未実施だった。

河北新報
<自家発電試験未実施>市立病院など仙台市の48施設非常用、年度内実施へ」より引用