人命に直結する非常用発電機の点検義務を履行することは、ビルオーナー、管理者の必須のコンプライアンス遵守事項です。

非常用設備の定期点検の種類

非常用設備の定期点検には、下記の4つの点検があります。

  1. 電気機器の機器点検
  2. 防災設備の機器点検(消防法上の義務)
  3. 防災設備の総合点検(消防法上の義務)
  4. 自家発電機の始動運転点検と出力確認点検(負荷試験)

その中で見落とされがちなのが、1年に1回行わなければならない、自家発電機の始動運転点検および出力確認点検(負荷試験)です。

自家発電機の定期点検

消防法令により機器点検は6ヶ月、総合点検は1年に1回の点検が義務づけられています。

機器点検(能力確認点検)

点検頻度6ヶ月に1回
点検内容
  • 備の正常な作動を確認する。
  • 機器の適正な配置、損傷の有無等を主に外観から確認する。
  • 設備の機能について、外観から又は簡単な操作により確認する。

総合点検(負荷試験)

点検頻度1年に1回
点検内容
  • 自家発電機の始動点検(約15分~20分)
  • 負荷試験機を接続して30%以上の出力確認点検(30分)
  • 出力データ確認
点検業者出力負荷点検業者(当社及び施工パートナー様など)

参考:負荷試験以外の定期点検

種別頻度点検内容点検業者
電気機器の
定期点検
3ヶ月に1回電気系統の正常作動確認/受変電設備/約5分の発電機起動運転(出力等の試動点検ではありません)など電気設備点検業者(関東電気安保協会様/日本テクノ様など)
消防法上の
機器点検
6ヶ月に1回消火器、火災報知器、避難器具、ガス漏れ警報器、誘導灯等の防災設備などを主に目視点検消防点検業者(セコム様/ホーチキ様/総合警備保障様など)
消防法上の
総合点検
1年に1回消火器、火災報知器、避難器具、ガス漏れ警報器、誘導灯等の防災設備などの機能点検

非常電源(自家発電設備)の点検要領

平成14年6月11日通達、消防予第172号「消防用設備等の点検要領の全部改正について」点検要領第24非常電源(自家発電設備)から抜粋

上記「総合点検」は消防法第17条3の3〔消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告〕に定められています。

この点検の報告に際し、虚偽の報告行った者、又は報告をしなかった者は、消防法第44条11号により30万円以下の罰金又は拘留に処せられます。

また、上記違反者に対する監督責任を有する法人は、消防法第45条3号により30万円以下の罰金に処せられます。