負荷試験の必要性

非常用発電機は消防法第17条3の3〔消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告〕、点検要領〔第24非常電源(自家用発電設備)〕によって定期的な負荷試験が義務付けられています。

上記〔第24非常電源(自家用発電設備)〕に定められている負荷試験の義務は30%以上の負荷となっておりますが、私たちは各メーカーが推奨する50%~80%の負荷試験を勧めております。

負荷試験が必要な3つの理由

理由1

非常用発電設備は始動しただけでは発電しない

車もエンジンをかけただけでは動かないように、発電機もエンジンを始動しただけで電力要求(負荷)をかけなければ発電しません。また、その性能を確認することもできません。

理由2

100%の負荷(定格出力の80%)で発電させないと判らない、不具合が見つけられない

発電機はエンジンがかかったからといって、十分な能力を発揮できるかは保証できません。出力を上げていく 段階でなければ発見できない、様々な不具合要因が存在するのです。ですから、発電機の性能を確認する負荷試験は、いざという時のために不具合がないかを確認できる、大切な作業なのです。

理由3

湿ったカーボン(すす)が蓄積されると不具合の原因になる

無負荷(エンジン始動のみ)・軽負荷(30%以下)の運転は、ある意味ではエンジンの空回しです。ディーゼルエンジンは、この空回しが苦手なのです。空回しによる不完全燃焼の結果、湿ったカーボンが発生し、蓄積されてしまいます。そのままにしておくと損傷、破損、火災などの原因になりかねません。定期的に性能検証を行うことによって、湿ったカーボンを除去することもできるため、いざという時に確実に性能を発揮してくれる頼もしい発電機へ変身させることができます。

ディーゼル発電機の保護装置

最大出力100%負荷試験の驚くべき効果

メーカーも軽負荷試験に警鐘!

発電機の負荷試験は、発電機メーカーから定期的に実施するように案内されている試験項目で、発電機のメンテナンス上からも必要な試験です。
無負荷運転や軽負荷運転は火災の原因となるため、定期的な高負荷運転をするよう案内されています。

メーカーA様

ディーゼルエンジン発電機を定格の約30%以下の軽負荷や無負荷で長時間使用した場合エンジンの燃焼温度が上昇せず、マフラー等に未燃燃料やカーボン(煤)が堆積し性能低下や故障原因になるばかりでなく、最悪火災の原因となる可能性があります。(堆積量は、使用負荷や使用環境温度等で変ります)

これらを防止する為には、取扱い説明書「定期点検整備」に基づき定期的に80%以上の高負荷を掛け、エンジンの排気系内に堆積した未燃燃料やカーボン(煤)を除去して頂きますようお願い致します。
負荷試験機が無い場合は発電機出力の50%以上の実負荷でも構いません。

メーカーB様

ディーゼルエンジン発電機を軽負荷や無負荷で長時間運転を行なうと、排気管やマフラーなどの排気系に未燃焼燃料やカーボンが溜まり、そのまま継続してご使用になられると故障の原因となるばかりではなく、火災の原因となる場合があります。定期的に高負荷(定格)をかけ、排気系内の未燃焼燃料を除去していだだきますようお願い致します。

この際、一気に高負荷をかけると内部の未燃焼分が急激に燃焼し、排気系内が高温になる恐れがあります。
50%程度の負荷をかけると最初は濃い煙が出ますが、その煙が薄くなるのを待って徐々に負荷を上げるようにし、最後は高負荷(定格)をかけ排気色が無色になるまで運転して下さい。
負荷のおおよその目安は、発電機の定格電流値の30%以下です。未燃焼物堆積は、軽負荷運転を長時間連続することにより発生しやすくなります。

非常時のライフライン確保が使命

いざ!というとき、非常用発電機が動かないと…

エレベーターが動かない

スプリンクラーが動かない

人工呼吸器が動かない

消防活動ができない

手術ができない

非常用発電機の定期点検と負荷試験を行うことで、日本において、いつでも発電機が動かせる体制を完成・維持することが私たちの目標です。
ますます高まる発電機の負荷試験に対するニーズに、 低コスト・高品質なサービスで応え、社会に貢献して参ります。